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教員として教えられたこと(岩崎大介)

経営学部ビジネス企画学科長 岩崎大介

 この3月末で朝日大学を退職することとなりました。金融・証券市場を土俵とした銀行員から大学に赴任し、2002年のビジネス企画学科開設以来、皆様に大変よく接していただき、年を重ねても知識を深める機会を得るだけでなく人間として成長できたことを感謝いたします。諸先生、スタッフの方々、学生諸君、地域の皆様本当にお世話になりました。

 大学では学生から二つのことを学びました。まず自分の見方を相手に伝える社会的技術だけではなく、相手の見ているものを真摯に探らなければ心に働きかけることができないという他者への共感の重要性です。思えば社会人として強い自負も持っていた18年前の私は不遜でした。学生や仲間に思いを十分伝えられなかったとも思います。知識や論理的合理性、経験や技術があるほど当たり前のことを忘れます。人は一人では何事もなしえず、相互に信頼し協力することで大事に取り組めることを、教え子や先生方スタッフの皆さんに迷惑をかけながら思い出すことができました。

 同時に、基礎的な知識や技術を常に磨き一芸に秀でた専門家であり続ける必要性も改めて意識しました。この10年で会計やマーケティングを真剣に学ぶ学生が増えた結果、自らの知識を常にアップデートすることができました。感情に流されず他者への共感を忘れないためには専門性に基づく論理性と自信が必要です。どのように感情的に共感できても、深い論理と知識がなければ無知による集団浅慮となることもあります。専門性を身につけることが、共感に優先するかもしれません。

 専門性と共感の二つから考えると、今回の新型コロナウイルスの流行は、日本にとっても僕たちにとっても大きなチャンスになるかもしれません。今後の経済的なインパクトを乗り越えるためには、個人的には他者の役に立つ何らかの専門性を持っている必要性が増すでしょう。同時に社会では間違いなく働き方改革が進むでしょう。リモートワーク等の拡大の結果、建設的な活動に提供している時間が今のスマホの通知のように誰からも見えるようになり、誰が働き誰が動いているだけなのか丸見えになります。問題はそのあとです。それでは効率の良い人だけをリモートで集めた組織が生き残るのか。人々の触れ合いによる共感と幸福感がない組織は、人類の歴史の経験から長続きしないでしょう。専門性がありリモートでも触れ合いのある組織を作ることができれば、多くの人が幸せになれます。

 大学を去る直前になって、今の経済合理性のもとにある理念がどうして生まれ継承され、それ以外の可能性はないのか、知りたい欲求が高まりました。また今年からは孫の手伝いをし、亡くなった家内が経験した子育てのまねごとから生前彼女が何を見ていたのかに共感したい欲求も生まれました。知識と共感で、今後も何か社会に貢献できればと思います。

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