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  1. 海外研修報告
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日系企業におけるタイ進出について(小寺花奈)

経営学科3年 小寺花奈

1. はじめに

 私は、今回の研修にあたって、つぎの2点に関心を持っていた。すなわち、①海外での働き方と日本での働き方にはどのような違いがあるのか、②なぜ日本の企業が海外に進出しているのか、である。また、事前研修を通して、タイの女性は社会進出していることを知った。日本とタイでは文化が違うため、日常生活のルールにも相違がある。お互い違うところを取り入れることにより、今以上にタイに日系企業が増えると私は考えている。そこで、産学連携短期海外研修で実際にタイに行って調べたいと思った。

2. 荷主における海外戦略

 日本企業の海外進出が必要な理由として挙げられることは、グローバル化と少子高齢化である。日本では人口の減少により消費市場が縮小し、働き手も減少する。しかし東南アジアでは日本と異なり、人口増加により市場が拡大している。

 ASEAN各国では日本人駐在員が増加している。タイには約3万3000人いる。理由は、近年のアジア市場の成長と、日本からの物理的な距離が近いことである。

 東南アジアの国々の物価は安く、工場の設備費用や従業員の給与なども安い。日本に比べ人件費が低いため、より海外進出がしやすくなっている。

3. 物流事業者の海外戦略

 西濃運輸は、東南アジアでトラックによる混載貨物の陸上輸送事業に取り組んでいる。各地に設立した現地法人を活用することにより、国境で荷物の積み替えをせずに輸送が可能となるため、安全性の確保やコストダウン、輸送スピードの向上などが期待できる。

 日本企業は、東南アジアでの食生活の変化に合わせて、温度上昇により品質の劣化や変質するような荷物を輸送する場合には、低温を維持しつつ輸送する低温輸送をしている。そのため、よりよい状態で輸送し、荷物を送り届けることができると考えられる。

4. 現地で活躍されている方々に聞きたいこと

 事前活動では、現地で活躍されている方々に聞きたいこととして下記の質問を設定した。

① 日本人とタイ人の働き方の違い

② タイに進出するにあたり大変だったこと

③ タイ人の働き方の特徴

④ タイ人の働き方で日本にも取り入れた方がよいやり方

⑤ 日本企業がタイに進出して良かったこと

⑥ タイの企業と日本の企業の違い

5. 検証(現地活動)

5.1 JETROタイ事務所(写真1)

 ジェトロの事業の一つに、日本企業の海外展開への支援が挙げられる。

写真1 JETROタイ事務所

 ジェトロのサービスとしては、つぎの6点が挙げられる。

①海外事務所にて産業動向・投資環境・設立手続き等の情報を提供する海外ブーリーフィングサービス、②短期のオフィススペースの提供とアドバイザーのコンサルティングサービスの提供、③入居企業のビザ・ワークパーミットの取得をサポートするビジネスサポートセンター(BSC)、④輸出入統計や小売価格などのデータの提供、⑤OEM委託先候補のリストアップ、⑥海外ミニ調査サービスなど、である。

5.2 大垣共立銀行バンコック駐在員事務所(写真2)

 大垣共立銀行は東海地方の地方銀行としては初めて、タイ王国バンコックに駐在事務所を開設1)した。同国への開設は、全国の地方銀行では3番目になる。大垣共立銀行の海外拠点は香港・上海・バンコックの3拠点がある。

 主な業務2)としては、タイほかASEAN地域進出企業のサポート、同地域の経済・金融動向に関する情報提供、その他、現地に関する問い合わせである。地方銀行は、地元に密着しているという良い点がある。

写真2 大垣共立銀行バンコック駐在事所

5.3 バンコック銀行

 バンコック銀行3)は、タイ最大の商業銀行であると同時に、東南アジア最大の銀行のひとつでもある。同行は大垣共立銀行と提携しており、タイ国内に1166支店、タイ国外に32拠点ある。また日系企業及び企業駐在員向けに各種金融サービスを提供し、個人顧客向けにはシーロム本店内に「ジャパンデスク」を設置し、日本語HPを開設している。

 バンコック銀行では、日本人スタッフの顔が見えるサービスで日本人のお客様に安心と信頼を届ける「ジャパンサービス」がある。

5.4 あいおいニッセイ同和損保タイ(写真3)

 あいおいニッセイ同和損保は、保険会社1社、損害保険ブローカー1社の現地法人がタイ国内にて事業を運営している。

 Aioi Bangkok Insurance (ABI)は2005年、トヨタ自動車およびそのサプライヤーを中心とした日系企業の保険引受をメインにスタートした。その後、バンコック銀行やあいおいニッセイ同和損保の営業部との協業による企業開拓で、日系企業の営業基盤を構築した。自動車市場が発展するにともない、トヨタ販売店で自動車を購入する個人を対象とした自動車保険のトヨタリテール事業を強化した。ABIでは、日系企業として、日系のお客様に対して火災保険をはじめ自動車保険、海上保険等、様々な種類の保険の引受をしている。トヨタリテール事業は、ABIの事業のうち約50%を占める最も大きな事業である。

 タイでは洪水があったため、保険市場に大きな変化があった。タイの自動車保険の特徴としては、自賠責保険加入率が78%、任意保険加入率が23%である。車両事故頻度は60~70%であり、日本と比べて高い。しかし車両事故頻度が高いにもかかわらず、自動車保険の加入率は低い。そのため自動車保険の加入率を上げることが必要である。

 タイの火災保険には、普通保険とIAR(オールリスク)の2種類がある。IARは盗難補償、施設賠償責任補償等がパッケージ化されている。

写真3 あいおいニッセイ同和損保

5.5 セイノー・サハ・ロジスティクス

 Thai President Foodの工場では、機械作業と手作業の両方で製造を行っていた。タイの袋ラーメンにはスープがなかった。ピリ辛であるが食べやすい辛さであった。麺は日本とあまり変わりはなかった。ラーメンの輸出先はフィンランドとアメリカである。

セイノー・サハ・ロジスティクスの主なサービスは、依頼会社の倉庫マネージメント、倉庫業、物流加工、国内輸送などである。倉庫では重い荷物は下に積み、軽い荷物は上に積む。タイでは地震がほとんどないため荷物を高く積むことができる(写真4)。日本の倉庫は荷物と荷物の間の通路は狭いが、タイではフォークリフトが通ることができ通路が広くなっている。

写真4 セイノー・サハ・ロジスティクス倉庫内見学

6. タイにおけるモータリゼーション

 タイの道路をみて車の多さに驚いた。また日本車が多く走っていた。日本では基本的に歩行者が優先されるが、タイは車が優先である4)。日本では道路で車線変更の合図をしたときほとんどが入れてくれるが、タイでは中々入れてくれないと感じた。車と車の間隔があまり広くないにもかかわらず、バイクが車と車の間を何台も通り抜けていて、とても怖く感じた。日本とタイでは交通にも違いがあることが分かった。

7. おわりに

 今回の産学連携短期海外研修に参加して、実際にタイに行き、日本とタイの違いを知ることができた。タイにある日系企業で働いている方々の話を実際に聞くことができたのは、これからの私にとって有意義な時間であった。タイに進出する日系企業が多くなっていることや、日本人とタイ人の働き方の違いがあることを知ることができた。

 今回の研修で実際にタイに行ったことで、より海外に興味を持った。私は、将来海外で働き、日本と海外の発展に少しでも協力できる人になりたいと思っている。実際に日本人が海外で働いているところを見て、海外の発展に携わりたいという思いが研修前よりも強くなった。

(2018年度経営学部短期海外研修報告〔タイ〕)

参考文献

1)大垣共立銀行タイ・バンコックに駐在員事務所開設

https://www.sbbit.jp/article/cont1/24111

2)バンコック駐在員事務所

https://www.okb.co.jp/company/foreign-bangkok.html

3)バンコック銀行

https://www.bangkokbank.com/en/International-Banking-Japanese-Customer

4)タイの運転ルールや交通法規・法廷速度について

https://www.bangkokbank.com/en/International-Banking-Japanese-Customer

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