国際未来を切り開く社会性と創造性、そして、人類普遍の知性に富む人間を育成する

  1. 企画・特集
  2. 234 view

シリーズ企画『言語を学ぶ』〔2〕「コサージュ」に〔コサージュ〕をつけて…(中垣勝臣)

経営学部 中垣勝臣

 フランス語の小説を読んでいて、女性ならたいていわかるだろう基本的な単語corsage(コサージュ)だが、文脈がよく通じなかったので辞書で調べてみた。「婦人用胴着、ブラウス、ドレスの胴部」という意味だった。文脈はつながったが新たに一つの疑問が生じた。読者もそうだと思う。コサージュって、女性がドレスなどにつける花飾りのことじゃないの??

 手元にある英語の辞書を引くと「corsage:コサージュ、女性が胸・胴・肩につける小さな花飾り」(プログレッシブ英和中辞典、小学館)とある。どうやら英語圏の人とは共通認識が成立するようだ。フランス語が先か、英語が先か、よくわからないので、ウィキペディアでコサージュを調べてみた。以下ウィキペディアからの引用である。

 『婦人服の胴部、身ごろを意味するフランス語の Corsage が語源(そのフランス語では日本語の「コサージュないしコルサージュ」に相当する単語が無いので、”petit bouquet de fleurs <porté épinglé au corsage> “「<胴部にピンで留めて付ける> 小さな花束」のように、説明風に表現するしかない)』とある(詳しくはhttps://ja.wikipedia.org/wiki/コサージュを参照のこと)。

 すなわち、「フランス人がイメージする『コサージュ(ブラウス)』の上にピン留めする小さな花飾り」が、日本人のいうコサージュである。だから、もし日本女性のあなたが素敵なブラウスに素敵な花飾りをつけていたとして、アメリカ人とフランス人が「そのコサージュいいね」と言えば、アメリカ人は花飾りを褒め、フランス人はブラウスを褒め、あなたはもちろん花飾りを褒められたと思うだろう。ちょっとした認識のズレが生じることになる。

 ちなみに英語版Wikipediaによると、英語のcorsageはフランス語bouquet de corsage(婦人用胴着につける花束)のbouquet〔ブーケ:花束〕が米語において省略され、corsageとなったそうだ(https://en.wikipedia.org/wiki/Corsage参照)。
 
 このように、言語のオリジナルの意味とは異なる形で他国に伝わる例は多々あるだろう。英語(外国語)になった日本語も案外、意味が変化していて日本人には通じないかもしれない。探してみると興味深い発見ができるかも。

企画・特集の最近記事

  1. 【特別企画】〔連載〕就活体験記④(完)志望企業から内定を得る(経営学部4年 K.T.)

  2. 【特別企画】〔連載〕就活体験記③ いよいよ企業面接へ(経営学部4年 K.T.)

  3. 【特別企画】〔連載〕就活体験記② インターンシップに参加して(経営学部4年 K.T. )

  4. 【企画】『Goodな写真とコメント』(②ペット自慢〔3〕:ねこ)(ショコラ・ショー)

  5. 【企画】『Goodな写真とコメント』(③麺麵紀行:ラーメンむねちゃん)(田中花苗)

関連記事