経営学部 後藤宏行
『天を衝く― 秀吉に喧嘩を売った男 九戸政実』高橋克彦著、講談社文庫(全3巻)、2004年
-あらすじ-
時は安土桃山時代、織田信長が天下布武を掲げた頃、陸奥の南部家では内紛が続いていた。新たな時代を予見する九戸党の棟梁・政実は、ついに宗家を見切った。戦の天才「北の鬼」と呼ばれた九戸政実が、武者揃いの一族郎党を束ねて東北の地を駆け巡る。南部家棟梁が二代続けて怪死する激乱の事態となり、政実は南に目を向けながらも、南部一族内の権謀術数が蠢く陸奥に縛られていた。折しも織田信長が殺され、伊達政宗が台頭する。やがて天下人となった豊臣秀吉は、十万の兵を率いて東へ進軍を始めた。目前に迫る豊臣秀吉(この時の総大将は甥の秀次)の大軍。日本中がひれ伏した敵に、わずか五千の兵で政実は喧嘩を売った。策を尽くし、鍛えた武力で敵を翻弄する九戸党。武者としての誇りをかけた最期の戦いを待ち受けていたのは果たして―*。
-感想-
奥州、南部の一族である九戸政実の物語。読んでいるうちに、次はどうなる、次はどうなるというふうに、飯を食うのも、トイレに行くのも忘れて読み耽ってしまいました。文章のスピード感がたまらなく心地よい。ジメっとした感じもなく、一気に読めてしまう。九戸政実って誰それ?と思わずに試してみてください。絶対ハマります。それくらい日本の歴史もの、戦国時代ものが好きな人は夢中になりそうです。外に出てフィールドワークもいいですが、部屋に籠もって読書に浸るのも、なかなか乙なものですよ。
*本書1~3巻の裏表紙記載の「はしがき」より。
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