経営学部長 小畠信史
皆さん、ご卒業、誠におめでとうございます。
皆さんが夢や希望をいだくように、大学を創立した人、あるいは創立にかかわった人達も夢をいだきました。この夢を謳(うた)いあげたのが「建学の精神」であり、すべての私立大学が有しています。本学のそれは「国際未来社会を切り開く社会性と創造性、そして、人類普遍の人間的知性に富む人間を育成する」です。
4年前の入学式の際、初めてこの建学の精神にふれた経営学部の皆さんは、これに則(のっと)った理論を基礎とし実践を学ぶというカリキュラムを修めることで、激変する国際社会に即応する力も、継続的に適応していく力も身につけ、本日、晴れの日を迎えております。
改めて建学の精神を読み返してみると、入学時とは何か異なった印象を受けるのではありませんか? さまざまな事例や解釈があるとは思いますが、建学の精神は、たとえそれが大学創立者の想いのすべてを表した推敲に推敲を重ねた名文であったとしても、生みだされた直後は夢を単に言葉あるいは文字で表現したものにすぎないでしょう。
この無機質な文章は、しかしながら、これをバックボーンとして学んだ多くの卒業生が実際に社会で活躍しこれを具現していくことにより、魂のこもったより高い次元の概念、すなわち真の建学の精神へと進化していきます。
本学経営学部についていえば、すでに9千名を超えるOB・OGが世界各地で未来社会へ果敢に挑戦しており、これにより在校生、卒業生、そして教職員にとっての建学の精神は日々昇華され続けています。それゆえわれわれは、本学の建学の精神を、その行間に夢や希望さらにはこれらが実現した光り輝く将来を感じて、かけがえのない心の拠り所とすることができるのです。
学び舎(や)に別れを告げるときがやってきました。すでに皆さんのなかに芽生え、そして育まれた社会性、創造性、人間的知性が、いよいよ実社会で開花しようとしています。朝日大学の建学の精神を承継し、具現し、進化させる者として、自信と誇りをもって国際未来社会に大きく羽ばたいてください。
※本年度、卒業式は、新型コロナウィルス感染防止を図るため、時間的な制約の下で行われました。
(本稿は卒業式式辞を一部改変しています)
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