朝日大学経営学会創立30周年記念
学生会員成果発表会~コロナを超えて~ 当日の様子(前編)
フォーラム編集委員(記者)
経営学部4年 田中花苗
2月14日火曜日、いよいよこの日は学生会員成果発表会です。会場がどのような盛り上がりを見せたのかお伝えするために、前編・中編・後編に分けて、私自身の率直な感想を交えながらルポルタージュします。同級生が、後輩が、先生方が日頃どのような活動をしているのか、知らない世界を知るのはとても興味深く、楽しみです。
12時30分、受付開始。当日会場には多くの人が集まっており、学生、同窓生、学生アルバイトの方々、教員の方々の姿が見られました。そこに集まった皆は笑顔で、会場は和やかな雰囲気に包まれていました。成果発表をおこなう学生の方々は、緊張した面持ちでしたが、この日に積み重ねてきた努力を発表できる事、待ちわびていたかのように嬉しそうな感情も、そこからも感じることが出来ました。
13時、亀谷みゆき教授の開会の辞を受けて、冒頭、大友克之朝日大学長からご挨拶を頂きました。本日の成果発表は全国規模のコンペで賞を授与される、あるいは難関国家資格に合格、地域の発展に大いに貢献するなど、非常に重要でハイレベルなものばかりと紹介されました。また、コロナ禍という苦難をともに乗り越えて一層頑張ろう、というメッセージに強い感銘を受けました。自宅で遠隔講義を受けていた2年間、思うように友情を育むことができなかった日々が、過ぎ去っていくのを感じました。
学長のご挨拶に続いて、飯島慶一経営学部同窓会長がご挨拶されました。30年以上に亘る同窓会と経営学部という組織的つながり、OB・OGと学生との人的つながりをより一層促進していこうという力強いメッセージを受け取りました。3月に卒業する私も、これからも人とのつながり、大学とのつながりを大切にしていきたいと思いました。
さて、いよいよ第1部研究発表会です。幕を切ったのは、櫻木晋一教授の特別講演『デンマークに眠る日本のコイン』です。デンマークの首都コペンハーゲンにある国立博物館には、元々日本貨幣が収蔵されていましたが、調査されていませんでした。2018年から4度に渡り、現地で櫻木教授が調査し、全貌を明らかにしたのです。そして、日本貨幣史の歴史を分かりやすく説明していただきました。私は3年生の時、櫻木先生の特殊講義を選択しており、再び貨幣についての貴重なお話を聞けたことを、懐かしく、そして嬉しく思いました。
次は、中畑ゼミの成果発表です。経営学部4年生の私と同級生である皆さんが発表されるということで、『世界の患者様をサポートする幸せのお菓子事業』というプログラム内容を見た時から楽しみにしていました。
朝日大学病院では、入院患者が通院患者に切り替わると、カロリー不足やタンパク質不足に陥る課題を抱えていました。そこで中畑ゼミでは、退院患者をターゲットとし、タンパク質がとれるチョコレート商品を地元メーカーとコラボして開発しました。クラウドファンディングで商品を通した課題解決を提示し、見事資金を募ることを達成しました。
現在岐阜のローソン(4店舗)で売れ行きが好調であると知り、私は中畑ゼミの皆の、ひとりでも多くの患者様に届けたいという思いやりの心から、この商品が生まれたのかと思うと深く感動しました。私も実食してみましたが、とても美味しくて、岐阜のローソンへ行って見かけたら絶対に買って食べたいと思いました。
3年生は、勉強オンラインアプリの開発や、岐阜県土岐市の過疎化地域に住んでいる方をターゲットとした研究も進められていると発表がありました。3年生の方々の発表も、ターゲットとする顧客をしっかりと定めて、ニーズに合わせた提案をしていることの着眼点の細やかさに驚くと同時に、利用する方は、痒いところに手が届く素晴らしいサービスに感動することだろうと思いました。
こうして、人の役に立つ研究や商品を、皆が一丸となって日々新しいアイデアが生まれている中畑ゼミの未来が、とても明るく感じました。これからどんな商品やサービスが開発されていくのか、私も今からとても楽しみです。
次は土井ゼミ『物流企業におけるピクトグラムの活用案』の成果発表です。
倉庫内作業は多様な人材から構成されており、様々な国の人達も一緒に働いています。しかし、言語は皆一緒ではありません。そのためイラストを見て(読んで)、理解する、ピクトグラムが物流の現場で必要なのではないか?ピクトグラムは、絵でなく言語であるという理論から研究がなされました。
現場での意見を受けて注意するところを色分けするなど、土井ゼミでは改良を重ねていきました。その結果、以前と比べて、不慣れな作業者にも危険箇所や注意すべき点などの理解度が向上したという成果があげられました。ウクライナの方をはじめ、日本語による意思疎通に困難を覚える多くの多言語の方々が日本で暮らしている現在、安心して働けるようになってほしい、そして、安全で安心して働ける現場が少しでも多く増えて欲しい、そんな思いと努力が詰まった結果を、成果発表でひしひしと感じることが出来ました。
14時を回って、ここで会場は休憩を挟み、無事に発表を終えた学生や教員はほっとした表情を浮かべていました。
(中編に続く)
最近のコメント