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  1. 学習成果発表
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語学を学ぶ

経営学部 野畑伸芳

2021年度教育改革推進事業を活用して、希望学生を対象に実用英語技能検定やTOEIC Listening & Reading Testの受験を支援する取組を行いました。事業費により各々のニーズや英語力に応じて英語教材を購入して学習支援をしました。本稿では、2021年3月から2022年11月まで英語学習に取り組んだ経営学部の学生が書いてくれた学習記録を紹介します。なお、本人の希望により匿名での寄稿となります。

この学習者は2年生3月から本格的に英語学習を始めて、3年生の11月に実用英語技能検定2級に合格、4年生の7月にTOEIC Listening & Reading Testでスコア780、11月にスコア820を達成しました。次に書かれた1年8カ月間の英語学習の記録では、様々な英語教材や学習法が紹介されており、これから英語検定の受験や英語技能テストでのスコアアップを目指す人たちに参考になると思いますので、通読していただければ幸いです。

英語学習の記録(2021年3月~2022年11月)
3年生の冬に実用英語技能検定2級に合格
・部活の先輩から借りた教材

○準2級の単語集(教材名忘れました)
→単語と一緒に長文が収録されていたため、意味を覚えやすかった。 単語がトピック(学校・教育、医療・身体、外国事情等)に分けられており、単語を使う場面を想像しながら学習ができた。 →クイズレット(スマホアプリ)に単語を登録して記憶に残るような学習をした。
「頻出英文法・語法問題1000」(桐原書店)
→全ての問題を解き、間違えた問題はノートにまとめた。(100均A5ノート4冊程) 文法の基礎知識、英文の読み方が少し、分かるようになった。

・先生から借りた教材

「2級でる順パス単」(旺文社)
「英検2級過去6回全問題集」(旺文社)
「準1級でる順パス単」(旺文社)
「英検準1級過去6回全問題集」(旺文社)
→単語集の単語・熟語はある程度覚えたという感じで、完璧にマスターすることはできなかった。覚えられない熟語は小さなメモ帳に書いて持ち歩き、待ち時間などに開いて復習していた。 →過去問は全て1回やって終わりで繰り返し解くことはしていない。 →2級受験前に準1級の単語集・過去問集(面接・作文問題のみ)に触れることで2級の問題に取り組みやすいようにしていた。 →面接・作文対策はネット上に対策問題が多く掲載されており、その問題をWordにコピーして取り組んだ。実際に2次試験での面接の質問がネットにあった問題と同じであったため、ギリギリ合格ラインに到達することができたと思う。 →面接・作文の問題は、先生に毎週添削していただいた。前置詞の使い方や、表現方法などを詳しく教えてくださり、アメリカでの経験や時事問題についてまで、さまざまな会話をする機会も設けてくださったため、1人での学習では得られない成長ができた。

・自分で見つけた教材

「英検公式スタディギア」(スマホアプリ)(日本英語検定協会)
→実際の出題形式に沿って問題に取り組むことができた。追加の支払いなしに学習できる点が良いと思うが、このアプリをやれば必ず合格できる!とは思わない。
「English Radio」(スマホアプリ)
→実際に英語圏で放送されているラジオを無料で聴くことができるアプリで、部活動で割り当てられた作業をしている時のBGMとして聞くようにしていた。何を話しているか聞き取れないことが多いが、少し内容を把握できたときに嬉しくなっていた。
「ポッドキャスト」(スマホアプリ)
→英語関係のチャンネルを見つけて聞いていた。日本語と英語が交互に流れるものもあるので、車の運転中に実際の英会話で使われるフレーズを学習していた。
「英語が話せる人はやっている 魔法のイングリッシュルーティン」(英語学習法書籍)(KADOKAWA)
→スピーキングがどうしても苦手で購入してしまった。最後まで読めていないが、英語の学習に対するモチベが上がった気がする。スマホの言語を英語に設定したり、お風呂で1日の行動について英語にして話してみたり、日常生活で英語を意識する機会が多くなった。
「TED」
→大学の英語の授業で存在を初めて知り、英語だけではなくて様々な知識も得られるため、原稿を印刷して聞いていた。印刷した原稿の中にある、知らない単語の上部に意味を書き込んで保存している。

年生7月にTOEIC1回目受験(スコア780取得)、11月に2回目受験(スコア820取得)
・先生から借りた教材

「公式TOEIC L&R 問題集6」(一般財団法人 国際ビジネスコミュニケーション協会)
→テスト1は3年生の時に少し問題に触れていた。1年間、2級の勉強をした後に再度リスニング問題を解いたとき、分かる英語が増えていることに驚いた。 →テスト2は、1度も触れていなかったため、1回目の受験日前日に模試として2時間計測した。1問5点で点数を算出して800ジャストだったため、ウキウキしながら当日を迎えた。
「TOEIC L&R TEST 出る単超特急 金のフレーズ」(朝日新聞出版)
→全て完璧にマスターはしていないが、ある程度分かるようになるまで学習した。「abceed」というアプリで音声が聞けるため、見て意味がわかるだけではなく、聞いて単語の意味が出てくるようにした。
「ブレイクスルー総合英語」(美誠社)
→文法の知識が中学レベルであり、「頻出英文法・語法問題1000」を解いただけでは文法の力をしっかり身につけれていなかった。「ブレイクスルー総合英語」の中から、自分が苦手とする文法について先生に解説をしていただいた。新しく覚えることが多く、全て覚え切ることはできなかったが、TOEICのリーディングを解く上では問題ないレベルまで文法力がついた。
「はじめて受けるTOEICテストパーフェクト入門」(2回目受験前)(桐原書店)
→1回分のテストにたくさん解説がついている教材。解き方のポイントや受験時のアドバイスがあり参考になった。事前に先生が作成したレジュメを解いたことがあったため、初見の問題が少なかった。表紙に「目標スコア500〜730」と書いてあったため、モチベがあまり上がらなかった。
「TOEICテスト新形式精選模試リスニング2」(2回目受験前)(the Japan times出版)
→リスニングのスピードが早すぎてとても難しかった。100問×5回分収録されており、1冊やり切った後の達成感がすごい。 →テスト1、2、3で速さに慣れてきて、4、5ではだいぶ聞き取りの力が上がったと感じることができた。軽度の難聴があり、リスニングに対する苦手意識が人一倍あったと思うが、この教材のおかげでリスニングに対する苦手意識が軽くなった。日本語の聞き間違えも改善された気がするので英語を勉強して良かったと思う。 →この音源の全てを完全にシャドウイングできたら、TOEICのリスニングで困らないと思う。実際に2回目受験時のリスニング(Part3、4)は1回目受験時に比べるとかなりついていけて驚いた。
「TOEICテスト新形式精選模試リーディング2」(2回目受験前)(the Japan times出版)
→2回目受験の前日にお借りした。3回分解いたが、精神がボロボロになるかと思った(難しい)。 →文量が圧倒的に多い上に、リスニングばかりやってリーディングの解き方を忘れており時間内で解き切ることはできなかった。もう少し早くから取り組むべき教材だと思う。復習も慌ててしまい、しっかり取り組めなかったことが悔やまれる。

・自分で見つけた教材

「スタディサプリ TOEIC TEST」
→3年生の正月に1年間の契約を開始した(2級合格でもらった3万円を支払いに充てた)。サプリ内の総学習時間は116時間、総学習回数は3170回である。毎日学習するように心がけたが難しかった(自己ベスト74日)。 →「パーフェクト講義」、「パーフェクト講義 英文法編」、「TEPPAN英単語・熟語」を全てやり、20回分ある問題集のうち、7回分をやった(1回目受験時は5回まで)。 →別売りの教材を買えば可能だったと思うが、アプリのみでの学習だったため、200問通しての学習ができなかったことが残念だった。1つの問題をやる毎に単語の復習、講義動画、ディクテーション、シャドウイングがセットになっており、200問の1回分をやり切るのに時間がかかる。終わりまでの道が遠くてやる気にならないことが多々あったが、苦手な復習とシャドウイングに強制的に取り組むことができて良かった。
○岐阜県図書館の電子書籍
→TOEICの対策本がたくさんある。音声も無料でダウンロードできるため、時間があったらもっといろいろな教材に手を付けたかったと思う。 →「TOEIC L&Rテスト 英文法ゼロからスコアが稼げるドリル」(アルク)にPCからアクセスして、基礎的な文法を復習した。

学習記録を読むと、この学習者が目標を立てて苦手な分野を克服しながら着実に英語学習を進めてきた様子がわかります。語学学習に必要な短期的な目標設定、学習機会の確保と学習の習慣化、Small start quick win(小さなスタートですぐに成果)を挙げるトレーニングの工夫、様々なアプリを活用した音声からのアプローチなど、様々な英語学習法が示されています。

最後に、学習者と次の観点から英語学習について振り返りをしました。

(1)単語・熟語の学習について:ひと通り音読をした後、例文を参考にして身の回りの事柄を英語で表現してみる。実際に先生と英語でやり取りすることにより覚えることが効果的だった。

(2)文法・構文の学習について:最初は一人で「頻出英文法・語法問題1000」(桐原書店)を読んで覚えていた。高校の授業では基本的事項のみを学習し、大学受験では英語など一般入試を受験せずに入学した。しかし、英検2級以上を目指したり、TOEICを受検したりするためには大学入試レベルの英語を理解する必要があるとわかった。その対策として高校生向けの文法書を一通り読むことにより中学・高校の英語学習の復習ができたし、さらに高校で深く学ばなかった文法事項(仮定法、不定詞、分詞、動名詞、関係詞など)に関して、以前は曖昧で感覚的な判断や理解をしていたが、明確な判断基準に基づいて理解できるようになった。

(3)学習機会の確保について:部活動に参加していたので英語に割ける時間が限定されていた。毎日の隙間時間を活用するように心がけた。たとえば、ネット上の英検対策講座やスタディサプリのTOEIC対策講座、English Radioなどのアプリで世界各国の英語放送を聞くようにした。部活動の仕事をしながらBBC World Serviceを聴取したこともあった。また、週一回はELSに通いネイティブ講師と英語を話すとともに、定期的に先生について英語を学んだ。

(4)なぜ英語を学ぶのか:将来、英語を使って会計士の仕事をしたいし、英語を話すことへのあこがれもある。また、英語の長文を読むときに内容をイメージしながら読んでいたが、これにより英語を英語として理解できるようになり、読むのが嫌いだった日本語の文章も読めるようになった。母語と異なるイメージをもつ英語を考えながら読んでいるうちに、日本語も考えながら読めるようになったのだと思う。

(5)卒業後の目標:企業研修では、会計の仕事の中でどれくらい自分の英語力を応用できるか確かめたい。また、勤務先からNHKラジオビジネス英語の聴取を勧められているのでぜひ継続的に英語を学びたい。

以上が今回のまとめですが、参考になる点が多々あると思います。大学生の皆さんは中学校や高校で受けてきた英語学習について様々な感想をもっていると思います。これまで真面目に英語の勉強をしたけれど、英語を聞いたり、読んだり、話したり、書いたりすることは今でも苦手だと感じる人は多いと思います。大学での英語授業や家庭学習では、単語や文法規則、語法を学習するときにネイティブスピーカーが英語を使うときの心理や意識、論理まで理解し、それを暗記して実際に使ってみる。そんな学び方を進めて英語を着実に身に付けていってもらえればと思います。

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