文:神谷真子 調査、データ解析:神谷ゼミ3年4年生
1. はじめに
神谷ゼミはゼミ生のほとんどがスポーツ系学生です。そこで、ゼミでは教科書などで栄養に関して学びながら、その知識を各自の食生活や競技生活に活用する取り組みをつづけています。今回も昨年に引き続き、その活動の一端を学年ごとに報告します。
2. サプリメント調査:スポーツドリンクの効果を試してみた!(4年生)
昨年のゼミ活動でおこなった「部活ごとのサプリメント利用調査」で、初めてその存在を知った「ピンクイオン」について、さらに調査を進めました。「ピンクイオン」はミネラル補給を主目的とするスポーツサプリメントです。知名度はテニス界では高く、利用者も多いのですが、他の競技種目ではそれほどでもありません。『ピンクイオンは類似のスポーツドリンクと比べてどこが違うのか?』2019年度は実際に運動時にピンクイオンを飲んで、その効果を自分たちで試してみました。
体育会に所属する7名のゼミ生(男子)が、ピンクイオン、アクエリアス、食塩水をそれぞれ飲んでシャトルランをおこない、各自の走行距離や心拍数の変化を3種類の飲料間で比較しました。その結果、ピンクイオンとアクエリアスをそれぞれ飲んだ場合は、シャトルラン中の最高心拍数(図1)や終了後10分までの心拍数(図2)が対照(食塩水)と比較して高くなる傾向が認められました。しかし、ピンクイオンとアクエリアスの間で有意な差は認められず、ピンクイオンの優位性は示されませんでした。今回試したピンクイオンの効果測方法は、はまだまだ不完全で、被検者数、実験条件の設定や解析方法など、多くの改善点が後継者への引継ぎ事項となりました。
3.体組成計を用いた身体計測(3年生)
3年生は、各自がスポーツ選手として「理想とする自分の体格」をイメージし、それに向けた食生活の改善とトレーニングを実行してきました。しかし、普段ウェイトトレーニングの効果を実感することはなかなか難しく、さぼり気味になってしまいます。そこで、InBodyを用いてより詳しい身体計測(体重・部位別体脂肪率・部位別骨格筋率・骨密度など)を行い、日々の自己管理の励みにできないかと考えました。その経時的変化を図3に示します。順調に体重・筋肉量が増加し、体脂肪率が低下している人、測定日ごとの変化が激しい人、1年間ほぼ一定の値をキープしている人など、ゼミ生それぞれの特徴が一目瞭然で、各自の良い反省材料となりました。
4. ボランティア活動 (2年生)
2年生は、恒例の栄養学に関する勉強の他に、調理実習や牛乳の成分分析などの実習を取り入れ、その知識の定着を図りました。
また昨年に引き続いて特別養護老人ホーム・サンビレッジ瑞穂の敬老会・秋祭りに参加させていただき、会場設営・撤収の力仕事や模擬店のお手伝いもしました。秋祭りには朝日大学を含めて5つの学校から30名を超える学生ボランティアが参加しており、お年寄りの付き添いや模擬店等でボランティア力を大いに発揮していました。要介護度の高いお年寄りの中には、嚥下障害のために模擬店の食べ物を食することができない方もみえましたが、学生さんの若いエネルギーに触れ、楽し気な表情をされていたのが印象的でした。
5. まとめ
・・・とまあ、文章でまとめるとかなり気合を入れて日夜頑張っているように見えますが、実は「毎回の座学はゆるり、ゆるり・・・、体を動かすイベントは頑張る!!」という“メリハリ”のある?ゼミです。「食」に関心のある学生さん、ぜひ神谷ゼミの門をたたいてみてください。
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